理想の先輩とは?

よく理想の上司は?なんて調査を聴くことがある。厳しくも優しさのある有言実行型が多い気がする。野球で言うと、長嶋茂雄さんや星野仙一さん等を記憶している。確かにスター選手ではあったが監督としては相当厳しい方だとうかがい知る。

私の学生時代はどうだっただろうか?

現東京佼成ウィンドオーケストラの主席Trp奏者の奥山さんはべらんめいでむちゃくちゃで、厳しかった。(阪神タイガースファンで生まれてすぐファンになったと言っていた。)彼は実力も相当で裏付けられた努力の姿が毎日あった。朝練習に行くと階段下で黙々とメトロノームを巻き巻きしながら何時間も何時間も基礎練習をする姿が記憶に残っている。

誰もが認める練習の鬼だった。他にも先輩方は練習棟の廊下でいつも同じ場所で陣取り先にきて練習をする姿があった。授業の合間も夕方、夜も同じで最後まで残っているのは同じ先輩方であった。

こちらから挨拶をするのにも気兼ねをするくらい集中しているので、先ずは大きな声で挨拶するしかコミュニケーションする他なかった。

 

運が良ければそのうち『一緒にやるか?』とか『終わったら飯でも行くかー?』って声をかけられたら幸運の持ち主で仲間に自慢できたものだ。(ちなみに割り勘なんてことはあまりなかった。だとしても少し余分に持ってくれていた気がする。)

金がない苦学生にとっては音楽や練習の話もプライベートの勉強もいろいろと良いこと悪いことまで教わることができた。社会勉強みたいな感じである。コミュニケートもとれ幸せな時間になるが少々緊張の時間になる。

 

大したこともしていない先輩に先輩面されると心のどこかに『なにいってんだよー』なんてくそ生意気なことも考えたものだ。

志学館の部活生は?というと、ただ単に挨拶だけを反射神経のようにしてみせたり、先生方には失礼もあるが横を通る先輩には立ち止まって深々と大きな声で挨拶をする部活もあるように思える。

わたしは部員に『そのような挨拶を望んでいるわけではない。』とはっきり伝えている。本当に敬意を表しコミュニケートの手段として丁寧に心からの挨拶ができるようになること。そしてそれが部活動ばかりではなく学校生活や家に帰ってからお父さんやお母さんにも笑顔で交わせる挨拶ができるようになってこそと思っている。

上記のような反射神経の挨拶はリバウンドと表裏を生むことに繋がりかねない。

 

ここのところ朝の練習を観察しに行くことにしている。2年生のホルン、今ちゃんこと今村君は毎日7時30分には同じ場所で同じ練習を念入りに繰り返している。

やっぴーこと屋久さんは階段一番下でしっかり吹き込む練習に余念が無い。

ゆづきこと佐々木さんも音取りの不十分な仲間に対しピアノでしっかりと対応してくれている。

部長も7:30には朝練習を開始し地道に取り組む姿勢がある。

朝早く学校に来るには不便なところなのに、自分で決めた時間で動き、向上を図っているのであろう。

後輩の方が早く来て黙々練習をしていて、その後、先輩が遅遅と到着する姿は決してかっこいい姿にはならない。ここをわかって欲しい。

 

先輩たるや、やはり尊敬される先輩であって欲しい。何もかもだ!学習に対する姿勢、学校生活、部活動へのモチベーション、挨拶全てが後輩より勝っていて欲しいものだ!だからこそ人の前に立つ者は精神的にはきついものだ。でもそれこそが自分への投資となり自らが成長できるチャンスなのだ。

後輩は先輩方の考えや行動、成長ぶりにあこがれ、必ず追いつき、追い越す努力をする関係性が組織として力がある証拠だ!

 

今朝は大雨であった。みんなずぶ濡れになって登校してきている。いつもの入り口からぬれた傘を持って練習場に降りるわけだが、1年生クラリネットあすかこと益田さんがすぐさま雑巾を片手に入り口と階段を1人で拭き始める姿は模範的で、精神的な成長を感じる場面であった。(思い出せば3年生のちひろ先輩の動きも常にそういう動きであった。)すぐさま2年生オーボエのあかりさんが『ありがとう!手伝おうか!』と声かけも当たり前のこととはいえ、なかなかみんながみんなできるわけではない。

 

どんな先輩が理想なのだろうか?どんな上司が理想なのであろうかと同じこと。自らが『かっこいい、心惹かれる行動と責任感、加えて人に寄与できる人としての幅』を持つために努力し続けることこそ先輩としての資質だと思う。

 

1年生も今、成長しようとしている2年生と共に自らと向かい合い高め、来年くる新一年生にすぐさま何が大切かを伝え、共に努力できる体制と実力を身につけて欲しいと願っている。願うだけではなく私自身も部活動やクラスにまた家族にそうあるように努力し続けたいと決心している。これだけははっきりと伝えよう。

『自分が変わりたいと思っている人しか変わることはできない。』

『自分は楽器を上達し成長したいと思っている人しか上達はあり得ない。』ということ。

願望だけでは何も拓かれないと言うことを…



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コメント: 1
  • #1

    シュガー… (土曜日, 24 8月 2019 00:08)

    ためになりました!