感謝すると言うこと

今、コンクール目前で生徒それぞれ頑張っていることと思う。『頑張ると言うこと』『感謝すると言うこと』はどういうことか様々な観点から考えてみよう。

 

リオOLYMPICもあと二週間後に迫っている。世界大会やOLYMPICでアスリートたちはメダルを手にすることが出来たらみんながみんな同じ事を口にする。

それはかっこつけでも何でも無く心からそう思っているのだ。

 

『皆さんのおかげです』『皆さんに支えられて』『皆さんに感謝』『このメダルは皆さんがとらせてくれました』…

 

勿論そんなことはなくアスリート個人の不屈の努力と精神力のたまものであることは言うまでも無いのだが…

 

アスリートたちの自身への追い込みとは想像も付かない次元にあると思います。体を痛み抜きそれでも追い込み泥をもかじるどころではないと思う。何かに逃げたくなる事もあろうし諦めたくなることもあるであろう。

たとえるなら人生そのもの…

 

そんな中で期待され支えられ重責を感じる中でプレーするわけだがそれの重さに押しつぶされそうになることもあるに決まっている。しかしアスリートはそれらを力に変え自身の力以上の秘められた力を創出しそれを常に出せるようにと再び追い込む努力をし世界のアスリートと戦う。

 

勝負の世界に生きているというのは過酷で本当に苦しい世界であろう。

 

そんな中、一人のアスリートの涙を見て私も朝から涙してしまった。

プロ野球選手ヤクルトスワローズの由規選手。

 

高校野球で最速151キロをたたき出した豪腕で知られ五球団が一位指名として競合した選手である。上の写真はヤクルトから指名を受け感動と言うことではなかろうが親に対する感謝と恩返しを口にして涙した有名なシーンである。『ハンカチ王子』に習って『号泣王子』と揶揄された。

その後も快進撃で活躍をし日本球団で初めて161キロをマークした歴史的選手だ。

しかし投手としては致命的で肘ではなく肩に違和感を覚え投げることもままならなくなってしまった。

決断は手術。アスリートが自身の体にメスを入れる決断とは相当なことだと思う。

 

丸5年リハビリと育成選手として球団が解雇せずにいてくれたことは彼の人間性と期待感しかないだろう。

そして昨日剛速球ではなく打たせてとるピッチングで五回を投げ5年ぶりの勝利投手となった。

 

軌跡の数字があると聞く161キロという数字と背番号11をかけるとちょうどリハビリをしていた日数と同じなのだそうだ。

勝利後のインタビューは気丈に振る舞っていたがその後両親とあった席ではやはり感謝の言葉を伝え再び第2ステージとしてスタートする決心と追い込んできた自身の思いがあふれ出し涙が止まらなかった。

 

多くのアスリートたちにはそれぞれ血と汗がにじむほどの努力とドラマがあろう。

 

私たちはアスリートになれるわけはないのだが自身を見つめ努力した者にしか本当の感謝やお支えを感じ取ることは出来ず、心から学び感じ口に出来るように自身を磨き抜くことこそ成長の一助となると思える。

 

生徒諸君まだまだやれることはあるはず。これくらいで簡単に努力しましたと口にせず、アスリートにあやかり自分が出来る一つ一つを確実にこなして本番にむかって欲しい。

 

私もそう思って当日を迎える覚悟である。