台風が過ぎて…

台風接近による措置で日曜日の練習と月曜日が臨時休校になった。

今週土曜日は模擬試験で練習は出来ない。

そして日曜日には地区の依頼演奏が予定されている。

 

想像に過ぎないが、生徒達はまだまだ仕上がっていない現状を踏まえ、朝早くから練習を予定して登校したのではないだろうか。

 

普段8時過ぎに到着の特別路線バスを利用する生徒達もいた。

少しでも遅れを取り戻そうと頑張る姿勢があったのに違いない。

 

 

私が出勤し志学坂を上るとき落ち葉や折れた枝が散乱し、大変な状況であった。音楽室の状況も心配されたので向かおうとすると、すでに部員たちは自発的に濡れた葉っぱや枝をかき集める作業をしていた。音楽室も同じで浸水があり多少の影響があった。

 

それらの状況を見て部員達は自分の大切な時間を奉仕作業に変更したのだ。それも誰に言われることもなく、人知れずだ。

決して褒めてもらおうとか連帯感でという感じがしなく、それぞれがその活動を粋に感じて行っているように私には見えた。

 

鴨川、ちはら台や鎌取といった遠方からの生徒は本来特別路線バスといい、学校のスクールバスで、決まった時間にならないと到着しないはずであるが、朝練習のためにそれを利用せず送迎してもらったり、公共交通機関を利用し早め登校をしていることになる。

と言うことは本人の強い気持ち(情熱)と親のご理解がないとなしえないことである。

 

その大切な大切な時間をこの作業に気持ちが向くと言うことは見事と言うほかない。私はこの部員たちの成長を誇らし、頼もしく感じ、心から感謝したい気持ちになった。作業途中、本校の硬式野球部の諸君も合流し始めた。嬉しい連帯感だ。

 

私は善行が波及すると言うことは一番望ましいことだと思っている。組織力、連帯感も勿論大切だが個々が個々の思いで動く力、個の力こそが大切で、それが『私も、私も』という連鎖が集団の力になると思う。そう言った活動を尊重したい。

ともすれば、結果を出すには集団の力を最優先として連帯感や時に連帯責任という所から始まる場合もあろう。時に必要な指導法かも知れない。結果が出始めたり、出続けたりすると指導者が勘違いしやすいので気をつけなければならない。

それは個々を見逃しがちであると言うことであろう。個がどういう気持ちでどういう意図で動いているか大切に見極める必要がある。

 

今朝の部員たちの表情は少しお兄さんお姉さんに見え、一日一善を楽しんでいるかのように見えた。この行動力と判断力をさらに磨きをかけ、学習に音楽活動に励み、自分自身を一層成長させてもらいたいと願っている。