12年前になるんですね。卒業式の午後の練習を終え卒業生が体育館から退場しているときのことでした。
26期生。
体育館が波打つように揺れ尋常ではない地震だと思いました。
その後に入ってくる情報は余りにも甚大で言葉を失いました。
生徒一人一人が無事に家に着くまで、ご家庭に引き渡しが完了するまで夜通し職員が食堂で対応したことを思い出します。
定期演奏会第8回の準備もまさに整い、あとは調整しつつ一致団結するのみ。そんなときでした。
26期27期28期
帰宅後はまだどこかしら開催できる、開催すると根拠のない気持ちを押さえられずにいました。
しかし、日が経つにつれ、何か目立ったことをすることが悪いことのような風潮が世論となり、何もかもが自粛となりました。
数日後、生徒と、保護者に向けて一度演奏会を見合わせることを結団したことを伝えました。
その時の3年生26期の泣きじゃくった顔とそのその様子は忘れらえません。
なにがなんでもという思いで、余震が残る中5月の大型連休中に開催する計画を立て始めました。
『がんばろう日本 第8回定期演奏会Wind-Windsコンサート』を実現させました。
これはこれは大変なことでした。
26期卒業生はそれぞれの道を歩み始め、新生活が始まっている中で練習時間を確保する、そして29期という新入学生を迎え新学期がスタートするなかで定期演奏会は経験したことがないハードなものでした。
それでも生徒たちは笑顔で、必死で諦めていなかったですね。
だから大人たちも心が動き保護者も総出で支えてくださいました。
大ホールでの開催は叶いませんでしたが、大きな会議室にて開催できたことは大きな喜びとなり、大人たちも沢山の勇気を子供たちからもらったものでした。
私にとっても一番記憶に残っている演奏会になっています。
演奏会最後に元部長が挨拶をしてくれました。
原稿を見ることともなく5分間にわたる思いのたけを語り始めたのです。
素晴らしいの一言でした。
その後の呼名は私自身声にならず、26期の子どもたちの涙はTシャツの胸元が濡れ落ちるほどのびちゃびちゃになっていました。
そうやって大人たちも勇気、力をもらっていたんです。
子供を信じる力、子供をやりぬかせる力、それでも思うようにいかなくなることもあります。
だからこそ、みんなで支えあいながらプラスのオーラが必要なんだと思います。
3.11 14.46
この日も練習を止めて黙とうをささげていました。
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